プロペラ・スピンナー・座席周り・その他


スピンナーは環状ラジエターの中心部と同時に丸棒に加工したものを成形します。写真は丸棒に加工する前の角材ブロックです。
正確に直角を出し中心線を罫書き両端面からピンバイスで慎重に回転軸孔をあけます。
そして角材を丸棒に加工して2分割し一方はラジエター用にします。


出来た丸棒を不要になった彫刻刀の柄に瞬間接着剤で固定します。そして鉛筆を削る要領で小刀を使って慎重に粗加工します。
最後に彫刻刀の柄を持ってくるくる回転させながらヤスリとサンドペーパーで砲弾型に仕上げます。

加工できたスピンナーと回転軸です。
左端にあるのが回転軸で直径1.0mmの真鍮線の端にごく細い銅線をコイルばね状に巻きつけて半田付けして抜け止めを作ります。
その横が回転軸を差込む内径1.1mm外径1.3mmの真鍮パイプです。このパイプに回転軸を差込んで軸の端をスピンナーの軸孔に差込みます。パイプを持ってスピンナーをまわすと軽く回転します。
右にあるのは鞘の役目をする内径1.4mmの真鍮パイプで、環状ラジエターの中心に取付けるものです。


プロペラはドイツ機独特の木製広幅ブレードのユンカースVS111型です。先ず正面形でブロックを成形します。4個分作れるようにしています。(1個はスペアです)次に4個分に切ります。


プロペラのひねり加工が出来た状態です。材料は4個分作りましたが失敗なしで出来たので1個分は不要になりました。
ひねり加工は非常に神経を使う作業で、写真を見ながら小刀で慎重に荒削ります。そしてサンドペーパーで仕上げ加工します。
何回も失敗を重ねた経験がものを言うようです。


出来上がったブレードをスピンナーに仮取り合いして見ました。先に作ってある回転軸も仮にセットして見ました。
回転軸の外にあるパイプを持ってブレードをふーと吹いて見ると軽く回転しますのでOKです。


Fw190D−9後期生産型のキャノピーはふくらみのあるガーラント・ハウベになっています。
キャノピーのヒートプレス用木型と塩ビ板をヒートプレスして作ったキャノピーです。窓枠フレームを残し透明部はセロテープでマスキングしておきます。


コックピット内部の装備品の制作にかかりました。座席シートはプラ板をヒートプレスしました。計器パネルも薄いプラ板に孔をあけました。操縦桿は真鍮線を半田付けしました。座席左右のコンソールは人工木材に真鍮板を半田付けしたレバーやスイッチ類を取り付けました。風防スライド装置のハンドルはランナーに真鍮線を半田付けしたレバーを取付ました。
この後、座席ベルト関係に取り掛かります。


座席ベルトはちょっと手間をかけて作りました。左側にある2本は腰ベルトで右側の2本は肩ベルトです。
ベルトはトレーシングペーパーを使いました。バックルや金具類は0.1mmのエナメル線を曲げて半田付けしました。
それとなく感じが出ています。


胴体下面にETC504ラックを仮取付して上下2分割成形型の300ℓ入増槽を仮取り合いしました。
ラックは2mm厚さの薄板で成形しました。振れ止めは真鍮板を細く切って作りました。
増槽はスピンナーと同じ要領で加工します。先ず正確に角ブロックを作り次に両端面に最大直径円を罫書き丸棒に仕上げます。そして鉛筆を削る要領で慎重にナイフを使って砲弾型と円錐型に粗成形し最後にサンドペーパーで仕上げます。まだ表面の最終仕上げをしていないので少し粗い感じになっています。上下の分割ラインは罫書き針による筋彫りです。